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「POG契約」と「フルメンテナンス(FM)契約」の違いとは?エレベーター等の昇降機の保守点検

エレベーターやエスカレーター、小荷物専用昇降機(ダムウェーター)、段差解消機、いす式階段昇降機などの昇降機の保守点検契約の種類には、「POG契約」と「フルメンテナンス契約(FM契約)」とがあります。これらの違いは何か、説明いたします。

関連記事:エレベーター等の昇降機の「検査」と「点検」の違いとは?法的根拠は?

 

昇降機の保守点検契約の種類は2種類

  • POG契約
  • フルメンテナンス契約(FM契約)

 

POG契約とは

保守点検の作業費のみの契約です。POG契約には部品代が含まれていません。そのため、部品交換が必要になった場合には、その都度、改修工事の契約を取り交わし、費用(部品代および交換工賃)が発生します。

ちなみにPOGとは、パーツ(P)、オイル(O)、グリス(G)の略ですが、このうちパーツというのはあくまで消耗品のみであり、一般的に言うところの部品交換の部品のことではありません。例えば古いエレベーターで「1階」とか「2階」とかの表示に豆電球を使っている機種の場合、その豆電球はPOG契約でも追加料金の支払いなく交換してくれます。POG契約に含まれる部品とは、その程度の消耗品のことを指します。

 

フルメンテナンス契約(FM契約)とは

フルメンテナンス契約は、通常の保守点検の作業費に加えて、ある程度までの部品代も含まれている契約のことです。例えばロープ式エレベーターの場合、ロープ(メインワイヤー)の交換を定期的に行うなどの必要性が出てきますが、フルメンテナンス契約にはそれらの費用が含まれています。

月々の費用はPOG契約よりも割高になりますが、突発的な出費の発生が抑えられます。

例えば分譲マンションのエレベーターで部品交換が必要になった際、管理組合の総会で決裁を取る必要があるが、その総会が年1回しかない場合、部品交換の実施が滞るなどの事態が生じることが考えられます。それを避けるためにフルメンテナンス契約を締結しておくなどの事例があります。

ただし、例えばロープ式エレベーターの場合、巻上機一式や制御盤一式などは含まれていないことが一般的です。以下の資料は、国土交通省が公表している「エレベーター保守・点検業務標準契約書」からの抜粋です。(実際の契約書の内容は、保守点検会社によって異なります。)

5.取替え又は修理の範囲

(b) 取替え又は修理に該当する項目は、表 2 のエレベーターの仕様及び契約の種別の欄に「○」を記したものとする。ただし、契約の種別にかかわらず、次の取替え・修理は除く。

1) 表 2 の項目以外
2) 巻上機の一式取替え、ギヤケース取替え
3) 電動機の一式取替え、フレーム取替え
4) 制御盤等の一式取替え、キャビネット取替え
5) 油圧式エレベーターの油タンク、圧力配管、プランジャー及びシリンダー
6) 表 1.1(a)、表 1.1(b)、表 1.2、表 1.3 及び表 1.4 の備考欄に(※)を記した事項

つまり、この場合、昇降機の全体的なリニューアル工事など、大規模な改修工事については別途費用が発生します。昇降機の耐用年数は機種や使用頻度や設置環境によって変わりますが、だいたい20年以上経過すると性能の限界を迎えます。契約に含まれている部品の範囲はよく確認しましょう。

また、契約に含まれる部品であっても、あくまで昇降機の自然な経年劣化によるものが対象です。物をぶつけてしまったとか、水に濡らしてしまったとか、そういった原因による故障の対応については、保守点検会社には責任がありませんので、有償となります。

 

まとめ

いずれの契約でも、安全のために昇降機の保守をし、維持保全するという意味では変わりません。自社の状況などに合わせて、適切な契約を選択しましょう。

昇降機の「検査」と「点検」の言葉の違いや、検査・点検をしなければならない法的根拠などについては、こちらの関連記事をご覧ください。

関連記事:エレベーター等の昇降機の「検査」と「点検」の違いとは?法的根拠は?

 

 

株式会社トライアングルでは点検・検査だけでなく、昇降機の新設や増設、改修、入替工事なども承っております。ぜひお問い合わせください。

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