【No.30】グループホーム新築|明るく集まりやすい共用スペース
新築のグループホームを開所する -将来車いすを利用することを想定する-
横浜市に新しいグループホームを開設するために、新築工事を行いました。
一見すると普通の一軒家に見え、グループホームらしさを無くし、地域と馴染み密接に関われるよう工夫を凝らしています。
一階は車いす利用想定、グループホームを利用する利用者様が将来的に車いすを使用することを想定して間取りを作成しました。
共用スペースは全員が集まりやすいように動線を設定し、ご利用者様や職員が交流を持ちやすい空間になりました。
場所 | 神奈川県横浜市 |
建物データ | 新築、戸建て |
外観 -地域に馴染む、「施設」らしさを無くした外観-
障害を持ちながらも地域で生活するという観念から、「施設」という見た目を避け、一般の一軒家とほぼ変わらない外観にすることにより、横浜の住宅街に溶け込むようになりました。
玄関ドア前は階段とスロープの両方を設置し、歩行も車いす利用での移動でも問題なく出入りできます。スロープだけにせず階段を設置するのは、スロープ分の距離を歩くより短い距離の階段を利用した方が楽に移動できる場合がある他、職員の方の利便性のためです。
設計・図面/共用スペース
1階2階それぞれの階でトイレや浴室、脱衣室やキッチンが必要か、洗濯機などはいくつ必要か、職員の方の待機場所をどうするか(泊まり込みをするかなど含む)や、運営や職員数や資金面を考えて部屋数はいくつとれるかなど、実際に運営する様子を想定して綿密な検証と話し合いが行われました。
上の図面には大型の家具(テーブル、ベッドなど)の配置も記載しています。車いすで転回するスペースを要所要所で確保しています。
明るい共用スペース
ご利用者様が集まる共用スペースは明るく広々とした空間になりました。備品や備蓄が多くなりがちなグループホームの収納スペースは大きめに確保しています。キッチンとテーブル・ソファが近くにありコミュニケーションを取りやすい配置に設定、個室と気軽に行き来ができるよう動線にも気を配っています。
車いすで転回できる玄関と玄関収納
玄関は車いす利用想定で、方向転換ができるようスペースを取っています。
靴の脱ぎ履きの動作や、雨の日に水滴を拭くスペースをどうするか、玄関に置くものや出し入れの動作やタイミングなどの日常の動作を細かく確認して空間を設計しています。スタッフルームから玄関で直接応対ができる窓口も設けました。
階段とエレベーター
上階と下階の移動にエレベーターを設置しています。日常の移動だけでなく、災害時に素早く避難できるかなども検証しています。
居室 -明るい室内と、広く使える収納スペース-
それぞれの居室に1つずつバルコニーを作りました。大きな窓があることで部屋の明るさも確保できています。一日を長く過ごす居室だからこそ、過ごしやすさに直結する明るさにはこだわりをもって設計しています。
快適に過ごすためには、収納スペースはとても重要です。入居者様の居室には大き目の収納スペース(押入れ)を設置しています。
浴室・脱衣室/車いす用洗面台
浴室は使いやすい広々としたものを用意しました。介助をすることを考えて出入り口は3枚引戸を採用して広くとっています。
洗面脱衣室の洗面台はどちらも車いす用洗面台を設置しています。足元にスペースがあり、蛇口が低い位置にあるため座ったまま利用しやすい洗面台です。
トイレ/車いす対応トイレ
1階は車いす対応トイレ、2階は普通の個室トイレです。
ご利用ありがとうございました!
13-1242