【No.8】グループホーム新設|マンション2部屋を全面バリアフリーにする
マンション2部屋を、全面バリアフリーにしてグループホームを作る
横浜市に新しいグループホームを開設するために、改修工事を行いました。
全面バリアフリーはもちろん、車いすでの動線設計から、介護しやすい環境を整えるため福祉機器の設置やまで話し合いを重ね、プランを設計しました。
場所 | 神奈川県横浜市 |
リフォームした場所 | 居室、ダイニングキッチン、トイレ、浴室、洗面・脱衣室 |
建物データ | マンション(2部屋) |
居室、ダイニングキッチン(引き戸+バリアフリー)
車いすの利用を前提とした設計
このグループホームは、車いすを利用して生活することを前提に、入居者様や介助者の方の動線設計をしました。
床面は可能な限り段差をなくしました。ドアは有効開口が広く取れ、車いすに乗ったまま開けやすい引き戸を採用しています。
入居者様の動線は、グループホームの職員さんと綿密に相談。車いすで展開できるか、介助スペースをどこにとるか、車いすから移乗したとき、車いすはどこに置くか、など住む人も介助する人も過ごしやすい空間となるようプランを練りました。
限られた空間の中で、家具を置いても「車いすに乗った人がすれ違える」「車いすに乗ったまま移動方向を変えられる」ように、廊下を極力なくすことで、共用スペースと居室の空間を広くとっています。
住む人と介助する人の視線
プラン設計の段階から、朝起きてから夜寝るまでの入居者様とスタッフの動きを念入りに相談。
「入居者様はどこで靴を着脱するか。その時車いすの車輪はどこで拭くか。スタッフはどの位置に立つか。車輪を拭くためのタオルはどこに置く?」「入居者様が自立した生活をどこまで望むか」「トイレに入るとき、車いすのままトイレに入るか。降りてからトイレに入るか。降りた車いすはどこに置くか(置くことでスタッフの立ち位置やトイレのドアが閉まらなくなったりしないか)」などなど。
入居者様の目線だけでなく、介助する方目線の介助のしやすさも含めて、一日の動作を実際に介助する方と相談することで、利用しやすい施設へ近づけていきました。
また、長く生活するには入居者様の独立性、プライベートの時間/空間をどう保っていくかも重要です。身体状況を鑑みながら入居予定の方ご自身にどんな希望があるかなども、よく確認して、介助の兼ね合いを考えながらのプラン設計となりました。
(←左)どこまで、プライベートの空間を作れるか。念入りに相談した居室。人が集まり談笑しやすい解放されたダイニングキッチン(→右)
トイレ(バリアフリー+介護リフト)
車いすで入っていける広々としたトイレ
車いす利用前提のため、特にトイレと浴室は介助の方法を含め、検討を重ねました。車いすからトイレに移乗する際どう動くか、何があれば介助しやすいかを検討した結果、介護リフト導入を決定。
「車いすで入居者様がトイレに入って」「車いすからトイレに移乗し」「乗ってきた車いすはトイレ室内に置いたまま介助者がドアを閉め」「トイレを利用する」という一連の流れがよりスムーズに行えるようになりました。
トイレには介護リフトを導入。より介助をしやすいよう検討を重ねました。
浴室(バリアフリー+天井走行リフト)
車いすから浴室、浴槽への移動。介助の負担をどう減らすか。
介護の現場でどうしても負担になりやすい抱え上げの動作。その負担を減らすために天井走行リフトを導入しました。
天井走行リフトを導入する際、特に話題になったのが、どの位置でリフトを使うか(車いすを降りる場所、着替えの動作、一時的な車いすの停車位置、介助者の介助する位置など)。一連の動作を想定して、まずどの位置であれば介助しやすい+安全かどうかを検証、話し合いを重ねそれぞれの位置を調整しました。
浴室、天井走行リフト。浴室には天井走行リフトを導入。どこで車いすを下り、浴室に入り、どんな体勢で浴槽に入るかなどを何度も話し合いながらそれぞれの位置を調整しました。
洗面台は車いす専用の洗面台を導入しています。台が低く、足元が空いていることで、より近くに接近しやすい専用のものをご提案しています。
浴室、天井走行リフト(レール)車いす対応洗面台 車いす対応洗面台は、車いす利用者のため、台が低く足元が空いている専用のものを用意。できる限り入居者様が自身の意思で動けるように整えています。
06-0829
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