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バリアフリーとは?「街の中」と「心」のバリアフリー

バリアフリーとは?「街の中」と「心」のバリアフリー

「バリアフリー」という言葉は普段の何気ない生活の中で耳にすると思います。

今回はその「バリアフリー」の意味、社会の取り組みや制度について解説していきます。

バリアフリーとは?

「バリアフリー」は対象者である障害を含む高齢者等が、社会生活に参加する上で、生活の支障となる物理的な障害や、精神的な障害を取り除くための施策、もしくは具体的に障害を取り除いた状態を指します。

つまり、「バリアフリー」とは、多様な人が社会に参加する上での障害(バリア)を無くすことです。

多様な人たちのことが考慮されていない社会は、心身機能に障害がある人などにとって様々なバリアを生み出しています。

障害の有無にかかわらず、幼児でも、高齢になっても、どんな立場でも安心して自由に生活をするために、建物や交通機関、街中、精神まで、多様な人を思いやる「バリアフリー」を広げていきたいものですね。

参考「知っていますか?街の中のバリアフリーと「心のバリアフリー」 政府広報オンライン」

もともとは建築用語。現在は?

もともとは建築用語。現在は?

「バリアフリー」はもとは建築用語で障害のある人が生活上障壁となるものを除去する意味で使用されていました。

現在、「バリアフリー」の意味は社会に浸透する過程で広くなり、全ての人にとって、社会参加する上の物理的、社会的、制度的、心理的な障害の除去という意味で用いられています。

ちなみに、「設備やシステムが、広く障害者や高齢者などに対応可能であること」を指して、「バリアフリー」と言うのは主にアジアやヨーロッパなどの非英語圏でも見られる用法で、アメリカやイギリスなどの英語圏では「アクセシビリティ(accessbility)」と呼びます。英語圏で「バリアフリー」というと、単に建物の段差を取り除くことなどのみを示すわけではありません。


株式会社トライアングルでは、

バリアフリー・介護リフォームの専門家集団が
「朝起きてから寝るまで」を共に悩み、解決します 

バリアフリーリフォームとは家の中を住みやすくする、というでだけではありません。私共は、家の中の障害や不便をなくす事で、よりエネルギッシュに世界と繋がって生活ができることを目標にしております。

「毎日のお出かけが億劫でなくなった!楽しく生活しています」というお声をいただけることが何よりの誇りです。

バリアフリー化の悩み介護リフォームの悩み、なんでもお声掛けくださいませ!


バリア(障壁)とは?

バリア(障壁)とは?

「バリアフリー」の「バリア」とは、英語で障壁という意味です。バリアフリーとは、生活の中の不便を感じること、様々な活動をしようとするときに、障壁になっているバリアをなくす(フリーにする)ことです。

多様な人がいることを考慮しない社会によって作り出されたもの

では、そのバリアとはどんなものでしょうか?

私たちが暮らす社会には、多様な人がいます。年齢、性別、国籍、仕事、教育、宗教、価値観や性格、能力、育った環境など、それぞれ様々な事情を持っています。

これまで、多様な人が集団で暮らしているにも関わらず、多数を占める人に合わせて社会が作られてきました。

多数を占める人にとって不便でも何でもない事が、少数の人たちにとって、不便さや困難さを生むバリアとして存在します。

例えば、日本では、身体障害・精神障害・知的障害のある人は総人口のわずか7%で、15人にひとりです。障害のない人が多数を占めており、障害のない人に合わせた社会が作られています。

障害のある人もそうでない人も全ての人が参加できる社会や環境づくりが現代社会に求められています。

身の回りの4つのバリア

身の回りの4つのバリア

障害のある人やない人、全ての人が参加しやすい社会にしていくためにどのようなことがバリアになっているでしょうか?現在、現在障害のある人が社会の中で直面しているバリアは大きく分けて4つあります。

1. 物理的なバリア

物理的なバリア

公共交通機関、道路、建物などに置いて、利用者に移動面で困難をもたらす、物理的なバリアのことです。

身体に不自由を抱えた方にとって困難をもたらすケースが多いです。

【例】

  • 路上の放置自転車で道がふさがれている
  • 通路やバス、電車などを移動するときにある隙間や段差
  • 昇り降りがしづらく転倒の危険がある急こう配の通路
  • 車いすなどが通りに抜けられない幅の狭い通路
  • 滑りやすく転倒の危険のある床
  • 座ったままでは届かない位置にあるボタンなど

2. 制度的なバリア

制度的なバリア

社会のルール、制度によって、障害のある人が能力以前の段階で、機会の均等を奪われているバリアのことです。障害を抱えていることを理由に学校や資格の受験の拒否、企業の就職やサービスの利用拒否などの制限を受けることなどがあてはまります。

【例】

  • 盲導犬を連れていることを理由にレストランなどの施設の入店を拒否された
  • 精神的な障害があることを理由に採用面接を受けられなかった
  • 身体的な障害があることを理由に資格試験を受験できなかった
  • 知的障害のあることを理由に学校の入学試験を受験できなかった

3. 文化・情報面でのバリア

文化・情報面でのバリア

情報の伝え方が不十分であるために、必要な情報が平等に得られないバリアのことです。視覚や聴覚に障害を持つ人にのみ、必要な情報が伝わらなくなっているケースなどが当てはまります。

【例】

  • 視覚に頼ったタッチパネルのみの操作盤
  • 点字対応や音声対応がない案内板
  • 音声案内以外でアナウンス情報を受け取る手段がない駅構内や電車内
  • 点字や手話通訳のない講演会
  • 字幕機能のない動画やテレビ番組

4. 意識上のバリア

意識上のバリア

周囲から心ない言葉、偏見や差別、無関心など、障害のある人を受け入れないバリアのこと。障害を持つ人に対する配慮の欠如や、年齢や障害を理由に差別や隔離をしてしまう社会や個人の理解の不足がおもにあてはまります。

【例】

  • 精神障害のある人は何するかわからないから怖いという偏見
  • 障害のある人に対する無理解
  • 奇異の目で見たりかわいそうな存在だと決めつけたりすること
  • 点字ブロックの上で視覚に障害のある人の進行の妨害をしてしまう
  • 車いす使用者以外が、車いす使用者のためのスペースに駐車をする
  • 緊急のアナウンスを聞き取ることができない人に気づかず放置してしまう

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心身機能の障害はどんなものがある?

心身機能の障害はどんなものがある?

「障害がある」と言っても、心身機能の障害は、その種類や程度によって様々です。

社会の中で困っている事や不便なことがそれぞれ違います。また、障害があることが外見からわからないケースもあります。

それぞれの特性を理解して、その人の目線になって周りを見てみると、何がバリアになるかわかってくるのではないでしょうか。ここからは主な心身機能の障害を紹介します。

視覚に障害のある人

視覚に障害のある人

見える範囲や見え方など人によって様々です。

目から得る情報収集に困難があるため、音声情報や触覚情報などで伝える必要があります。また、弱視や色覚異常の人には、文字を大きくしたり、色の対比を明確にしたりして伝えることが必要です。

  • 全く見えない人(全盲)
  • 見えないけれど光が感じられる人(光覚)
  • 眼鏡などで矯正しても視力が弱い人(弱視)
  • 見える範囲が狭い人(視野狭窄)
  • 色の見え方が異なる人(色覚異常)

聴覚に障害がある人

聴覚に障害がある人

聞こえ方に個人差があります。また、声を出して話すことが難しい人もいます。

音による情報収集に困難があるため、筆談や手話、文字情報などで伝える必要があります。

  • 全く聞こえない人(ろう者)
  • 聞こえにくい人(難聴者)

肢体に障害がある人

肢体に障害がある人

動かない・動かしにくい身体の範囲や、動く程度など様々な状態の人がいます。日常生活を送るために、義肢などの補装具や車いす、杖などを使うことがあります。

身体の内部に障害のある人

身体の内部に障害のある人

病気などで、心臓や腎臓、呼吸器、腸や膀胱、肝臓、免疫機能など、身体の内部に障害のある人がいます。

外見からはわかりにくいですが、疲れやすかったり、長時間立っているのが難しかったり、頻繁にといれに行く必要がある人がいます。

知的障害のある人

知的障害のある人

生活や学習面での知的な働きや発達がゆっくりとしていて、読み書きや計算をしたり、抽象的な概念や複雑なことを理解したり判断したりするのが苦手ですが、豊かな感性をもっています。

軽度の知的障害からダウン症や自閉症など、他の障害も併せ持つ人まで、一人ひとりの障害の状況が大きく異なります。

発達障害のある人

発達障害のある人

自閉症などの広汎性発達障害(PDD)、注意欠如多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などがあります。感覚過敏、落ち着きがない、読み書きや計算が苦手など人によって障害の状況は異なります。

コミュニケーションが苦手で社会生活や日常生活に支障が生じていることが多くあります。

精神障害のある人

精神障害のある人

統合失調症やうつ病、転換などの精神疾患のために、社会生活や日常生活がしづらくなる障害です。

精神疾患はストレスや生活環境の変化によって、誰もがかかりうる病気です。適切な治療・服薬と周囲の配慮があれば書状がコントロールできるため、大半の方は、地域社会の中で生活しています。

その他

その他

たとえば、妊娠中の女性や小さな子供をつれて外出する人などは動くこと、移動が困難になったりします。

社会には障害のある人だけでなく、高齢によって、見たり、聞いたりが困難になったり、移動や伝えることが困難になったりする人がいます。

また、外国人や旅行者などは、日本語の案内板やアナウンスだけでは情報が入手できない人がいます。

障害のある人たちにとってのバリアはこれらの人たちにとっても、社会生活や日常生活を送る上でのバリアとなります。


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心のバリアフリーとは?

心のバリアフリーとは?

心のバリアフリーとは、バリアを感じている人に身になって考え、行動を起こすことです。意識上のバリアは、一人ひとりの心がけで無くしていくことが可能です。

まず、身の周りには、どのようなバリアを感じている人がいるか、どのようなバリアフリーの工夫があるかについて目を向けて見て下さい。

様々なバリアフリーの工夫に気づいたら、障害のある人が、それを利用しやすいように配慮してください。

こんな場面があったら声をかけて見て下さい。困っている人に気づくこと、声をかけることから始まります。

  • 通路の段差で通れなくて困っている車いす利用の方がいた
  • 小さな子供連れの親子がバスの席に座れなくて困っている
  • 優先席前に、杖をもった高齢者が立っていた
  • エレベーターに並んでいたら、ベビーカー利用者がまっていた

バリアフリーとユニバーサルデザインの違い

バリアフリーとユニバーサルデザインは、発案されたきっかけや背景が大きく違いますが、事業や整備がよく似ているので、混同されることが多いです。

ここからはバリアフリーやユニバーサルデザインの違いについて解説します。

ユニバーサルデザインとは?

「バリアフリー」は建築物などに存在する障壁を取り除く意味で用いられていましたが、アメリカのロナルド・メイス氏によってはじめから多くの人がりようしやすいものとする「ユニバーサルデザイン」が提唱され、広く世に広まりました。

「ユニバーサルデザイン」とは、年齢や障害、性別や体格、国籍、言語などに関わらず、誰もが使用しやすくわかりやすい設計になっている製品や情報のことです。

ロナルド・メイス氏が提唱した「ユニバーサルデザインの7原則」に基づいた機能を持つ設備や施設、製品などが当てはまります。

  • 公平性
  • 柔軟性
  • 単純性
  • わかりやすさ
  • 安全性
  • 省力性
  • 空間の広さ

これらは障がい者だったロナルド・メイス氏がバリアフリー対応設備の「障がい者だけの特別扱い」に嫌気がさして、最初から多くの方に使いやすいものを作る設計手法として発明されました。

バリアフリーとユニバーサルデザインの思想的な違い

バリアフリーとユニバーサルデザインの思想的な違い

バリアフリーは「障がい者・高齢者などの生活の弱者のために、障害となるものの削除を行う」という過去の反省に立った考え方で、進化してきました。

ユニバーサルデザインは「障害の有無や性別、年齢、文化など、それぞれに違いがあれど誰にとっても利用しやすい設計」を指します。

つまり、バリアフリーとユニバーサルデザインでは、障害に対する考えかたが大きく違います。

 

「バリアフリー」における障害は、目が見えない、歩けないなどの日常生活に支障をきたす特定の性質を指し、バリアフリーの対象はそういった性質に特化し、それ以外の、健康な人にとっての利便性についてはそれほど考慮しません。

市場原理はあまり持ち込まれないことが多く、障害の除去を最優先にするために、ビジュアル面でのバリエーションが乏しかったり、製作コストが見合わず、大量生産できなかったりするものがあります。

バリエーションが乏しいとはいいますが、ある程度統一することは、使い方の普及と共に社会に共通認識ができるため、使用しやすくなる利点があります。

また、大量生産しない分、何かの障害に特化した解決方法を提示できたりと、現状あるものにプラスアルファの考え方ができる一面があります。

 

「ユニバーサルデザイン」は障害を特別視しません。

身体や精神の特性に限らず、怪我や病気による一時的な不具合、自然災害や停電などによる環境的な不具合、子供時代や高齢期のよる不具合も障害と考えれば、誰もが必ず、一生のうちどこかのタイミングで障害に見舞われるものと考えます。

そのため、ユニバーサルデザインでは全ての人が使いやすいことを重視しデザインを行います。

市場原理を重視するのもユニバーサルデザインの特徴です。

全ての人にわかりやすく利用しやすいものが広く普及するためには、多くの人が手に取ってみたくなる魅力が不可欠です。また、持続的に製品を出し続けるには、経済コストも重要と考えます。

バリアフリーとユニバーサルデザインの考え方の違いから生じる事例

階段に昇降リフトをつけて、車いすの使用者が使えるようにするのは、バリアフリーの考え方です。

リフトがあれば、車いすの利用者でも階段の昇り降りができますが、障害のない人や、他の歩きづらい人には利点がありません。

そのかわり、今ある階段をそのままにプラスアルファで設置が可能です。

ユニバーサルデザインの考え方では、エレベーターの設置を考えます。

車いす使用の人だけでなく、高齢者や妊婦、大きな荷物を抱えた人など誰でも利用できる状態を可能にします。

バリアフリーとユニバーサルデザインのその他の違い

バリアフリーとユニバーサルデザインでは普及の方法が大きく違います。

バリアフリーは法律等で規制することで普及させる「行政指導型」であることが多いのに対し、ユニバーサルデザインは、いいものを褒めたたえ推奨する「民間主導型」になります。

 


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身近なバリアフリーデザインの例

点字ブロック

点字ブロック

視覚に障害のある人が白状や足の触覚で安全な移動を行えるよう、駅や歩道、公共施設などには点字ブロック・線状ブロックが設置されています

正式名称は「視覚障害者用誘導ブロック」と呼び、誘導ブロック(線状ブロック)と警告ブロック(点状ブロック)の2つにわかれています。

目の不自由な人は、点字ブロックを頼りに歩行しているため、点字ブロックの上やその周囲に障害物があると大変危険です。

点字ブロックの上や、その周囲には立ち止まらない、自転車や看板、荷物などを置かないようにしましょう。

安全な移動のために皆様のご協力が必要です。

スロープ

スロープ

階段を使用しないと入口に入れない建物や施設、一部の歩道橋などに設置されています。

足の不自由な方や車いすが通行できるように横幅が充分に確保され、傾斜が緩やかなのが特徴です。

音響式信号機

音響式信号機

信号が青になっている事を、音声やメロディなどで知らせて、視覚に障害を持った人でも、進行と停止を判断できるように設計されている信号機を「音響式信号機」と言います。

音源の位置と指向性により、方向をとって横断歩道をまっすぐ進むことができるようサポートする役割も担っています。

音響式信号機は、押しボタン式のものと、自動的になるものがあります。

押しボタン式のものは、視覚に障害のある方がボタンの位置を把握できないことがあるため、困っている様子があれば、声をかけてあげてください。

エレベーター

エレベーター

エレベーターは、階段の昇降をせずに高低差のある移動を行ってくれる設備のため、車いすの使用の方や、歩行の困難な方、ベビーカーなどの移動の負担を軽減できます。

公共交通機関にあるエレベーターは、車いす使用の方が利用しやすいように、中のスペースが通常よりも広くなっていたり、押しボタンが通常よりも低い位置に取り付けられていたり、方向を変えずに出入り口を確認するための鏡をつけたりする工夫がされています。

また、視覚に障害のある方向けに、点字の表記や、「○○階です」と音声案内があるエレベーターも多くあるのが特徴です。

多目的トイレ

多目的トイレ

車いす使用の方や、膀胱や腸などの内部障害がある方、赤ちゃんを連れた方などが利用しやすい様々な機能がつけられたトイレです。

広いスペースの確保や、手すりの設置、オストメイト対応、ベビーチェアやおむつ交換台の設置、通常より低い位置の洗面台などの工夫がされています。

最近では利用の集中を緩和するため、機能を分散化しているトイレもあります。

案内サイン

案内サイン

図記号(ピクトグラム)で表示するなどの工夫がされている案内版です。

文字がわからない人、言語が違う人にもわかりやすく直感的に伝えることができます。

手すりの設置

手すりの設置

最近は、公共交通機関や、施設、住宅にも手すりの設置が多くなってきました。屋内、屋外共に設置されています。

手すりは、身体の位置を移動させるときに手を滑らせるように使う横手すりと、立ち座り動作を助ける縦手すりがあります。

横手すりは、階段やスロープ、廊下等、縦手すりはトイレや玄関口、浴室などでよく見ることができます。


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バリアフリーに関するサインやシンボルマーク

バリアフリーに関するサインやシンボルマーク

配慮が必要な方を支援するために、バリアフリーに関する様々なサインやシンボルマークが使われています。

それぞれのサインやシンボルマークをご存じでしょうか?意味を理解して、心のバリアフリーを広げていきたいですね。

参考「障害者に関係するマークの一例 内閣府」

障害者のための国際シンボルマーク

障害者のための国際シンボルマーク

障害者が利用できる建物、施設であることを明確に表すための世界共通のシンボルマークです。

マークの使用については、国際リハビリテーション協会の「使用指針」により定められています。

参考「公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会(JSRPD)」(マークについての問い合わせはこちら)

視覚障害者のための国際シンボルマーク

視覚障害者のための国際シンボルマーク

世界盲人連合で、1984年に制定された盲人のための世界共通のマークです。視覚障害者の安全やバリアフリーを考慮された建物、設備、機器などにつけられています。

信号機や国際点字郵便物・書籍などで身近に見かけます。

このマークを見かけた場合には、視覚障害者の利用への配慮のご理解とご協力をお願いいたします。

参考「社会福祉法人 日本盲人福祉委員会」(マークについての問い合わせはこちら)

身体障害者標識(身体障害者マーク)

身体障害者標識(身体障害者マーク)

肢体不自由であることを理由に免許に条件がある方が運転する車に表示するマークで、マークの表示については努力義務となっています。

危険防止のためやむを得ない場合を除き、このマークを付けた車に幅寄せや割り込みを行った運転者は、道路交通法の規定により罰せられます。

参考「自動車の運転者が表示する標識(マーク)について 警視庁」

参考「警察庁交通局交通企画課 」(マークについての問い合わせはこちら)

聴覚障害者標識(聴覚障害者マーク)

聴覚障害者標識(聴覚障害者マーク)

聴覚障害であることを理由に免許に条件がある方が運転する車に表示するマークで、マークの表示については努力義務となっています。

危険防止のためやむを得ない場合を除き、このマークを付けた車に幅寄せや割り込みを行った運転者は、道路交通法の規定により罰せられます。

参考「自動車の運転者が表示する標識(マーク)について 警視庁」

参考「警察庁交通局交通企画課 」(マークについての問い合わせはこちら)

ほじょ犬マーク

ほじょ犬マーク

身体障害者補助犬法の啓発のためのマークです。

身体障害者補助犬とは、盲導犬、介助犬、聴導犬のことを言います。

「身体障害者補助犬法」において、公共の施設や交通機関はもちろん、デパートやスーパー、ホテル、レストランなどの民間施設は、身体障害のある人が、身体障害補助犬を同伴するのを受け入れる義務があります。

補助犬を同伴することのみをもってサービスの提供を拒むことは障害者差別にあたります。

補助犬はペットではありません。社会のマナーもきちんと訓練されており、衛生面でもきちんと管理されています。

補助犬を同伴していても、使用者への援助が必要な場合があります。使用者が困っている様子を見かけたら、お声掛けや配慮をお願いいたします。

参考「ほじょ犬マークとは 厚生労働省」

参考「厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課自立支援振興室 TEL:03-5253-1111(代)
FAX:03-3503-1237」(マークについての問い合わせはこちら)

耳マーク

耳マーク

聞こえが不自由なことを表すと同時に、聞こえない人・聞こえにくい人への配慮を示すマークです。

また、窓口等に掲示されている場合は、聴覚障害者へ配慮した対応ができることを示しています。

聴覚障害者は見た目にはわからないため、誤解されたり、不利益をこうむったり、社会生活上で不安が少なくありません。

このマークを提示された場合は、相手が「聞こえない・聞こえにくい」ことを理解し、コミュニケーションの方法等への配慮(口元を見せ、ゆっくり、はっきり話す・筆談で対応する・呼ぶときは傍へ来て合図する・手話や身振りで表すなど)について、ご配慮、ご協力をお願いいたします。

参考「一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会」(マークについての問い合わせはこちら)

ヒアリングループマーク

ヒアリングループマーク

「ヒアリングループマーク」は、補聴器や人工内耳に内蔵されている、Tコイルを使って利用できる施設・機器であることを表示するマークです。

このマークを施設・機器に掲示することにより、補聴器・人工内耳装用者に補助援助システムがあることを知らせ、利用を促すことができます。

参考「一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会」(マークについての問い合わせはこちら)

オストメイト用設備/オストメイトを示すマーク

オストメイト用設備_オストメイトを示すマーク

オストメイトは、がんなどで、人工肛門・人口膀胱を造設している排泄機能に障害のある障害者のことをいいます。

このマーク(JIS Z8210)は、オストメイトのための設備(オストメイト対応のトイレ)があることおよび、オストメイトであることを示しています。

このマークを見かけた場合には、身体内部に障害のある障害者であること、配慮されたトイレであることをご理解の上、ご配慮、ご協力をお願いいたします。

参考「バリアフリー推進事業 9 アクセシビリティ Accessibility 公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団」

参考「公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団」(マークについての問い合わせはこちら)

ハート・プラスマーク

ハート・プラスマーク

「身体内部に障害がある人」を示しています。

身体内部(心臓、呼吸機能、腎臓、膀胱・直腸、小腸、肝臓、免疫機能)に障害のある方は、外見からはわかりにくいため、様々な誤解を受けることがあります。

内部障害の方の中には、電車などの優先席に座りたい、障がい者用の駐車スペースに停めたいと希望している場合があります。

このマークを着用されている方を見かけた場合には、内部障害への配慮について、ご理解、ご協力をお願いいたします。

参考「特定非営利活動法人ハート・プラスの会」(マークについての問い合わせはこちら)

「白状SOSシグナル」普及啓発シンボルマーク

白状を頭上50cm程度に掲げてSOSのシグナルを示している視覚に障害のある方を見かけたら、進んで声をかけて支援しようという「白杖SOSシグナル」運動の普及啓発シンボルマークです。

白杖によるSOSのシグナルを見かけたら、進んで声をかけ、困っていることなどを聞き、サポートをお願いいたします。

※駅のホームや路上などで視覚に障害のある人が危険に遭遇しそうな時は、白状によるSOSシグナルを示していなくても、声をかけてサポートをお願いいたします。

参考「白状SOSシグナルの普及啓発 岐阜市」(マークについてのお問い合わせはこちら)

ヘルプマーク

ヘルプマーク

義肢や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲に配慮を必要としていることを知らせることができるマークです(JIS規格)。

ヘルプマークを身につけた方を見かけた場合は、電車やバス内で席を譲る、困っているようであれば声をかけるなど、思いやりのある行動をお願いいたします。

参考「ヘルプマーク 東京都福祉局」(マークについてのお問い合わせはこちら)

手話マーク

手話マーク

聞こえない、聞こえにくい人が手話言語でのコミュニケーションの配慮を求める時に提示したり、役所、公共及び民間施設・交通機関の窓口、店舗など手話言語による対応ができるところが提示できます。

また、イベントの時のネームプレートや災害時に支援者が身につけるビブスなどに提示することもできます。

聞こえない・聞こえにくい人がこのマークを提示した場合は「手話言語で対応お願いします」の意味、窓口などが提示している場合は「手話言語で対応します」の意味になります。

参考「手話マーク・筆談マークについて(全日本ろうあ連盟) 一般財団法人全日本ろうあ連盟」(マークについてのお問い合わせはこちら)

筆談マーク

筆談マーク

聞こえない人・聞こえにくい人、音声言語障害者、知的障害者や外国人などが筆談でのコミュニケーションの配慮を求めるときに提示したり、役所、公共及び民間施設・交通機関の窓口、店舗など、筆談による対応ができるところが提示できます。

また、イベントの時のネームプレートや災害時に支援者が身につけるビブスなどに提示することができます。

聞こえない・聞こえにくい人などがこのマークを提示した場合は「筆談で対応をお願いします」の意味、窓口などで提示している場合は「筆談で対応します」の意味になります。

参考「手話マーク・筆談マークについて(全日本ろうあ連盟) 一般財団法人全日本ろうあ連盟」(マークについてのお問い合わせはこちら)


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日本のバリアフリーに関する法律

日本は、政府がバリアフリーに関する法律を制定することで、バリアフリーを社会の中に急速に浸透させました。

ここから先は、バリアフリーに関する法律にどのようなものがあるか紹介します。

ハートビル法

ハートビル法

1994年に施行された「ハートビル法(正式名称:高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築に関する法律)」は、日本で初めて施行されたバリアフリーに関する法律です。

「ハートのあるビルをつくろう」をテーマに、劇場や銀行、ホテル、コンビニエンスストアなど、誰もが日常利用する建築物、 老人ホームや身体障害者福祉ホームなど、お年寄りや体の不自由な方が主に利用する建築物、 事務所や学校、マンションなど、多くの方々が利用する建築物を、お年寄りや車いすを使用する方も、目の不自由な方や耳の不自由な方も、子どもや妊娠中の方も、 皆が利用しやすい建築物にしていきましょう。という趣旨で制定しています。

具体的には、不特定多数の利用する施設や、障害者、高齢者が利用する建物に、エレベーターや駐車場、出入り口やトイレ、浴室、客室などをより使用しやすくできるようなバリアフリー化を促す法律です。

ハートビル法は施設や建物などに限定されて制定されています。

ハートビル法に適すると認定されると、表示制度や容積率の特例、税制上の特例措置、低利融資、補助制度などのメリットがあります。

参考「ハートのあるビルをつくろう 国土交通省」(PDF)

交通バリアフリー法

平成12年に施行された「交通バリアフリー法(正式名称:高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律)」は、高齢者の方、身体障害者の方、そのほか妊産婦の方などの公共交通機関を利用した移動の利便性、安全性の向上を図るために制定された法律です。

駅やバスターミナルなどの「旅客施設」、鉄道やバスなどの「車両」、駅などを中心とした一定の地区における周辺の道路、駅前広場、信号機などのバリアフリー化を推進することを目的としています。

具体的な内容は以下の通りになります。

  • 駅構内へのエレベーター、エスカレーター、スロープなどの設置による、段差対策の促進
  • 車いすやオストメイト対応トイレの設置
  • 運賃表や案内板などへの点字表示
  • 鉄道車両への車椅子スペースや、次駅表示装置などの設置
  • ノンステップバス、ワンステップバス、低床路面電車の導入
  • 交差点などへの音声案内付き信号機の設置
  • 駅プラットホームや歩道などへの点字ブロックの設置、他

現在は、ハートビル法と交通バリアフリー法を統合・拡充した、バリアフリー新法(高齢者、障がい者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)の施行に伴い廃止されています。

高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律の趣旨・概要

バリアフリー新法

平成18年に施行された、「バリアフリー新法(正式名称:高齢者、障がい者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)」は、ハートビル法と交通バリアフリー法を統合・拡充した法律です。

高齢者や障害者(身体障害者・知的障害者・精神障害者・発達障害者を含む、すべての障害者)、妊産婦、けが人などの移動や施設利用の利便性、安全性の向上を促進することを目的としています。

バリアフリー新法には大きく4つの基本方針があり、それぞれに必要な事項が細かく定められています。

  1. バリアフリー化の意義や目的
  2. 施設設置管理者が行うべき措置
  3. 市町村の基本構想の策定
  4. その他(バリアフリー化促進に対し、理解・協力をする、など)

この中には、「障害の有無に関わらず全ての人が使いやすい」というユニバーサルデザインの考え方に基づいた規定が新たに盛り込まれました。

高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律

参考:日本のバリアフリーの歴史、年表

内容
1950年代 北欧でノーマライゼーション発祥
1961年 米国基準協会(ANSI)アクセシビリティ基準
1964年 東京パラリンピック大会/米国公民権法
1968年 米国建築障壁法(ABA)世界初の建築物バリアフリー法
1969年 仙台で身体障害者の生活圏拡張運動始まる
1969年 国際アクセスシンボルマーク制定
1970年 心身障害者対策基本方(公共施設/交通施設の整備を謳う)
1973年 厚生省障害者モデル都市(国によるバリアフリー都市事業)
1973年 仙台市で第1回全国車いす市民集会、以後2年ごとに開催
1974年 町田市福祉環境整備要項
1974年 国運障害者生活環境専門会議「バリアフリーデザイン」
1975年 スウェーデン建築法改正42a 3階以上の建物にEV設置
1977年 米国リハビリテーション504条施行(連邦政府のサービス事業で障害者差別禁止)
1981年 国際障害者年(完全参加と平等、ノーマライゼーションの思想)
1985年 ロン・メイス ユニバーサルデザイン提唱
1988年 米国公正住宅法(FHAA)、4戸以上の住宅供給で障害者の差別禁止(公民権法)
1990年 米国障害を持つアメリカ人法(ADA:障害者差別禁止法)
1992年 大阪府/兵庫県 福祉のまちづくり条例
1993年 障害者基本法(70年法の全面改正、公共施設、交通施設整備)
1994年 ハートビル法(基礎的基準、誘導的基準)
1995年 長寿社会対応住宅設計指針(住宅のバリアフリー)
1998年 米国リハビリテーション法 508条(情報のバリアフリー)
2000年 介護保険法(住宅改修制度)
2000年 交通バリアフリー法(新規交通施設のバリアフリー化)
2001年 高齢者住まい法(高齢者の居住安定のための計画等)
2002年 ハートビル法の改正(2,000㎡以上の特別特定建築物のバリアフリー義務化、地方自治体による委任条例制度)
2004年 学校施設のバリアフリー化推進指針
2005年 国土交通省ユニバーサルデザイン政策大網
2006年 国連障害者の権利条約(障害者差別禁止と合理的配慮)
2006年 バリアフリー法(交通バリアフリー法とハートビル法の統合)
2007年 学校教育法改正、個別支援教育
2010年 JR山手線にホーム柵の設置始まる
2011年 高齢者住まい改正(サポートを明確にした「サービス付き高齢者住宅」など地域に住み続ける政策)
2012年 バリアフリー法基本方針改正(乗降客数3,000人/日以上の駅のバリアフリー化)
2013年 障害者差別解消法(2016年4月施行)
2013年 国際パラリンピック委員会(IPC)アクセシビリティ・ガイド
2013年 東京オリンピック・パラリンピック競技大会招致決定
2014年 障害者権利条約批准
2017年 ユニバーサルデザイン2020 行動計画
2017年 Tokyo アクセシビリティ・ガイドライン制定
2018年 バリアフリー法改正(社会的障壁の除去、マスタープラン、事業評価のしくみ等)
2018年 国土交通省移動等円滑化評価会議(バリアフリー法評価会議)
2019年 ユニバーサルデザイン2020 行動計画評価会議(内閣官房)
2019年 バリアフリー法宿泊施設基準改正(車いす用客室1%以上)
2019年 建築設計標準追補版(ホテル旅館:国土交通省)
2019年 東京都バリアフリー条例(一般客室の簡易バリアフリーの義務化)
2020年 東京オリンピック・パラリンピック開催

※日本におけるバリアフリーの歴史(日本技師装具学会)より引用


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